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近距離の通信について思うこと

 みなさんこんばんわ

 久々に投稿します。今日は、長くても1mとかの距離感の通信についての話です。
昨今、通信の主流はシリアルになりつつあります。小生が学生の頃は、8ビットパラレルのGP-IBとかが計測器のIFとして主流でした。また、シリアルといえば、RS-232Cでまあ、9600bps程度でした。その後、パラレルからシリアルに主流が移ってきて、速度的には昔の1000倍は当たり前の世界になっています。
 そこで、今日は数年前に、30cm程度の基板間の通信をLVDSというシリアルで通信しようとした時に起こった不具合について、お話します。LVDSはノートパソコンや折り畳み低電圧携帯などで、ディスプレーと本体間の表示データ転送に使われている規格で、名前の通り、低電圧で作動で通信する規格です。当時はその送受信のICの電源電圧は3.3Vで、駆動していました。ところが、なにゆえか時々転送不能に陥るのです。ソフトの担当者は頭を抱えてしまい、バグが無いか必死に探しているのですが、どうもソフトサイドから見て、不具合とソフトのタイミングに関連性が見つけられなかったため、ハードが怪しいということになりました。この原因は結論から言うと、基板間のGNDの電位差が時々4V程度あったため、受信側のダイナミックレンジ(といっていいのか?)、0~3.3V間をはみ出していたのが原因でした。差動で送信する意味は、そのベースが変動しても、その2本ともが一緒に変動するがゆえにノイズに強いのですが、その保証の範囲は、あくまで使用するICの電源電圧範囲内にとどまります。したがって、そのGND間のレベルが過渡的に3.3V以上変動した場合、残念ながらその瞬間は受信側は信号を解釈することができません。この不具合は、アースに入っていたコモンフィルタを短絡する(GNDレベルを強化する)ことで、直すことができました。
 実はこれより前にも、RS-485においても、機器間5mくらいの通信で、双方のGNDが固定されていなかったため、通信不能になることを経験していたことが、役にたちました。機器間の場合は、最大で電源電圧の半分(つまりAC100Vだと50V程度)の電位差が出るのは当たり前にあるので、最悪電位差でICを破壊してしまうので、アース電位については注意が必要です。

 では、おやすみなさい。